b-mobile Wifi をしばらく使ってみたのでそのレポートでも。
似た製品では PocketWifi が有名だけど、携帯電話の インターネット接続を Wifi に変換(?)してくれる機器。 小型のバッテリー内蔵 3Gルータ。
b-mobile (日本通信) から販売されているけど、中身は ZTE の MF30 の OEM 版のようだ。 一応 b-mobile が用意したマニュアルはついてくるが、本当に最低限の事しか書いていない。
PocketWiki と違ってロックフリーなので、好きな SIM をさして使うことができる。 ……といっても、国内で売られている単体 SIM は b-mobile U300 くらいなので、一般的にはそれをさして使うことになるのだけど。
価格は同様の PocketWifi よりも安い。が、光ポータブルと比べれば高いかな。
http://192.168.0.1/ に繋いで web で設定するタイプ。 あまり高度な事はできないが、とりあえず必要な物は揃っている。 3G ネットワーク周りの設定、WEPとクライアント制御、ダイアル制御など。 モバイルルータとしてはこれで十分だろう。
ただ、この設定画面、困った事に HTC desire のブラウザからだと物凄く使いにくい。 一応使えなくはないのだが、たまに横幅がどんどん伸びてゆく現象が起きる。 iPhone の Safari は一応使えるが、これもちゃんと画面遷移しない事がまれにある。
接続情報やアンテナ感度のアイコンを Ajax (? いや、ただのフレームか?)で更新しているようなのだけど、 どうもその辺りの問題の様だ。
LED の状態を見ると 3G の初期化は早そうだけど、 Wifi の AP として見えるようになるまでは1分強はかかる。 これは他の類似製品でも大体同じようだ。 頻繁に電源を切らないなら問題ないけど、決して早くはないね。
公称4時間だけど、まあそんなもんだろうか。 使ってみた感じ大きく下回るということはない。
このサイズで4時間は凄いとは思うのだけど、実際旅行などで 1日使い倒すには全然足らない。 そういう用途ではモバイルブースターなど外部のバッテリーに頼るしかないかな。
逆にカフェや電車などで時々使うくらいなら、4時間もあれば十分すぎ。
何も考えずに SIM をさせば使える。 一番最初に U300 自体を activate するのに電話はしないといけないが、 それさえ終わって入ればあとは SIM スロットにさすだけ。 この b-mobile の APN だけは最初から設定されている。
ただ、ルータのせいじゃないのだけど、U300 の(と言うかドコモの) 帯域制限は結構面倒くさい。ssh や scp がとてつもなく遅くなるので、 あまり Unix 使いとしては嬉しくないね。 (一応 port 443(HTTPS) を通してどこかに VPN を張れば制限を回避出来るけど、ちと面倒。)
香港のキャリアの一つ、3(Three) のプリペイド SIM を刺してみた。 U300 の諸々の制限もないし、softbank よりよっぽど高速。 日本で使うよりずっと快適で泣ける。
U300 以外設定は入っていないので、手動で設定してやらないといけない。 3G の設定で、追加ボタンを押すと新たに APN を追加できる。
APN: ipc.three.com.hk ID: (なし) PASS: (なし) DIAL#: *99#
電話番号のところに注意。 説明などには電話番号は要らないと書いてあるのだけど、この wifi ルータは何か電話番号を入れないと設定が保存できない。 仕方ないので U300 と同じように *99# を入れておく。
設定後は「ディフォルトに設定」を押しておく。切り替わるまで多少かかるので、何度か接続失敗のダイアログが出る。 あと、一旦ディフォルトにすると編集できなくなるので、入力を間違えた場合は別のものをディフォルトに してから再編集する必要あり。ちょっと面倒くさい。
標準ではデータ通信方式が WCDMA しか有効になっていないので、 3G の電波が飛んでいない地域に行く場合は、設定を 「自動」 に切り替える必要がある点に注意。GSM で通信している場合は、 携帯ネットワークのインジケータ(右のやつ)が赤色に点灯する。
両方有効にすると、もしかしたら電池使用量の増加とか ハンドシェイクの低速化などがあるのかもしれないけど、 少なくとも気になるレベルでは起きなかった。
GSM を使う可能性がある場合は、忘れずに設定を切り替えておこう。
日本で HTC desire の SIM をさして使ってみた。
APN: smile.world ID: dna1trop PASS: so2t3k3m2a DIAL#: *99#
正式には公開されていないので、ちまたに流れる iPhone の APN 情報を入れてみた。これで問題なく繋がり、ちゃんと パケット定額の中に入っている様だ。 ただ、もしかしたら定額を外れる可能性があるので、その辺の リスクは考えた上で使う必要がある点に注意。
ここからはおまけ……というか、ほぼ役に立たない情報。
Windows で接続すると不明なデバイスが見える。 モデムとして動く様なのだが、残念ながらドライバが提供されていない。
VendorID は 0x19d2, ProductID は 0x0117。インターフェースは3つ 見えるが、class は全部 vender specific (0xff) になっている。
もし Linux kernel 2.6.35 以降を使っているのであれば、 USBコネクタを繋いで暫く待っていると usb-wwan がアタッチされる。
3つの tty デバイスとして見え、最初の一つがコントロール用、 次の二つがモデムに見える。何で2つ見えるのかは謎。機能が違うのか?
で、とにかくモデムに見える2のデバイスは、とりあえず AT コマンドに応答するまでにはなるんだけど……。
状態を取ることはできるものの、今のところ接続には成功しなかった。
NetworkManager + modem-manager では、ZTE のプラグインを 読む様に設定を変えても、エラーで繋がらない。
検索して適当に以下の設定を作り、wvdial も試してみたけど繋がらない。
[Dialer Defaults] Modem = /dev/ttyUSB2 ISDN = off Modem Type = USB Modem Baud = 460800 Init1 = ATZ Init2 = ATQ0 V1 E1 S0=0 &C1 &D2 Init3 = AT+CGDCONT=16,"IP","ipc.three.com.hk" Phone = *99# Password = * Username = * Stupid Mode = on Auto DNS = on Dial Command = ATD Check Def Route = on Compuserve = off
このようにエラーになる。
sugi@shine:~% wvdial -C three.conf --> WvDial: Internet dialer version 1.60 --> Cannot get information for serial port. --> Initializing modem. --> Sending: ATZ ATZ OK --> Sending: ATQ0 V1 E1 S0=0 &C1 &D2 ATQ0 V1 E1 S0=0 &C1 &D2 OK --> Sending: AT+CGDCONT=1,"IP","ipc.three.com.hk" AT+CGDCONT=1,"IP","ipc.three.com.hk" OK --> Modem initialized. --> Sending: ATD*99# --> Waiting for carrier. ATD*99# ERROR --> Invalid dial command. --> Disconnecting at Mon Sep 20 00:11:26 2010
AT+CEER を試すと "Missing or unknown APN" と言われるので、何か初期化設定が足りないのか……?